漢方芍薬堂の上郡日記

べにばな畑
2022-06-28


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宍粟市山崎町のべにばな畑

20年以上前から休墾田を利用して栽培されている。
今年は、梅雨の雨が少なかったので花のつきが良いとのことで見事なべにばな畑を見ることができた。
種まきから3ヶ月で開花となり、開花時期が梅雨になることから、古来梅雨の影響を受けにくい地域が栽培適地とされてきて山形県が産地として有名。

日本へは、天平時代に渡来し、江戸時代に至るまで紅花文化が栄えた。紅花は、染料、化粧品、漢方薬と応用されてきた。
花には紅色色素カーサミンと黄色色素サフロールイエローを含み、カーサミンは水には溶けない色素で、漢方の古典である金匱要略には紅藍花酒の方剤の記載があり、酒で煎じると指示がある。この時代から、アルコールに溶ける成分と水に溶ける成分を把握していたことに驚かされる。
紅色色素は、臙脂として口紅や染料として使用されてきた。

種子は、古くから植物油として用いられてきたが、アメリカで開発されサフラワー油として現在も普及している。かつては、リノール酸の含有量の高いサフラワー油であったが、リノール酸の多量接種の弊害を防ぐために高オレイン酸のサフラワー油が主流になっている。

漢方では、辛温の血剤として貧血の人、血流の悪い人、冷え症の人、婦人病などを目的に漢方薬に配合され使用されている。
代表的処方に折衝飲、通導散、柴胡疎肝湯がある。
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